筋交いで強度アップ!耐震等級3を取得!種類や入れ方などについて

筋交いは何のためにあるのか、筋交いの向きやバランス、金物の種類などを紹介していきます。

筋交い(すじかい)とは

柱と柱の間に斜めの板を入れて、建築物の構造を補強しているもの。

この斜めの板のことを通常、「筋交い」「筋交」、「筋違」やブレースとも呼ばれたりします。

筋交いは木材が多いですが、金属やワイヤーを使う場合もあります。

筋交いは構造壁を作り建築物の耐震性を高め、丈夫な住宅を建てるためには不可欠です。

主に筋交いを使う工法としては木造軸組み工法などが代表的です。

 

筋交いは基本的に金物や金属で固定されており、建築基準法でも木造の部材として「筋交い」を規定しています。

また、筋交いの種類には大きく、「片筋交い」と「たすき掛け」があります。

さらに「方筋かい」は右、左のタイプがあります。

筋交いは構造壁になりますが、耐力面材を使用して構造壁とする場合もあります。

ちなみに筋交いと耐力面材の両方を使用することもあります。

筋交いと耐力面材の違い

出典元:https://www.daiken.jp/product/contents/dailite/reason_02.html

「筋交い」と「耐力面材」はどちらも、耐力壁をつくるために使用されます。

耐力壁は地震などによる建物のねじれにより倒壊することを防ぐために、偏りなく、バランス良く配置されている必要があります。

 

筋交いの特徴としては、すき間が少なく、断熱材などが入れにくく、金物を使用したり、
手間がかかることがありますが、たすき掛けの場合は耐力面材よりも壁倍率が高くなる。

耐力面材の場合、断熱材が入れやすく、面全体で支えるので壊れにくいメリットがある。

耐力壁の強度を表す数値を「壁倍率」と呼び、この数値が高いほど強度が高く、大きな水平荷重に耐えることが出来ます。

壁倍率とは、筋かいを施工した際にどの程度壁の強度が増したかを表す数値です。

筋交いの種類

筋交いの種類としては大きく2つに分けることが出来ます。

柱と柱の間に斜めの板を片側だけに入れる「片筋交い」とその名の通り、
たすきに左右板をクロスさせ両方から2枚の板を両側に入れる「筋交いたすき掛け」があります。

主に「片筋交い」は木造一階建てであれば、建物を横から見た時に、天井から基礎部分に向かって内側に入るように斜めに取り付けます。

「片筋交い」にも大きく2種類あり、「右片筋交い」、「左片筋交い」に分かれます。

「筋交いたすき掛け」は強度が強くなりますが、コストが掛かるため、できる限り、最小限でいて安定した強度が求められます。

そのため、住宅の強度を計算して必要な個所に施工する必要があります。

筋交いの向きや入れ方

筋交いの向きや入れ方、入れる場所を間違えてしまうと強度が落ちてしまいます。

片筋交いよりもたすき掛けの筋交いの方が強度があることは誰が見てもわかると思いますが、
たすき掛けを多く取り入れれば良いということでもありません。

筋交いはバランスが大事ですので片筋交いとたすき掛けをバランスよく配置する必要があります。

片筋交いは使う部材が少なく済むため、コスト面でメリットとなることがあります。

また、太い材質をたくさん使用すれば耐震性が高まるわけでなく、向きやバランスがとても重要になってきます。

木造住宅を頑丈にするためには筋交いの入れ方はバランスや配置、接合金物がポイントとなります。

実は、筋交いの量や接合金物について、すべて法律で決められた基準をクリアしなければいけないのです。

筋交いは木造住宅を全体的に見たときに耐力壁が偏ってしまうような入れ方では間違いです。

基本的には、筋交いは力が逃げるような向きに配置すること多いです。

住宅メーカーでは筋交いの入れ方や向きなどの構造計算をして、耐震等級の最大等級、耐震等級3を取得することが可能になります。

間取にもよりますが、この筋交いの向きや入れ方が正しくない場合、耐震等級が低くなり、地震に弱い住宅となってしまう場合もあります。

筋交いはとても重要な構造の一つです。

住宅を建築する際は筋交いがしっかり配置されているか、問題ないかなど確認しておくとよいでしょう。

筋交いは金物や金具で固定しないといけない

在来軸組構法で施工された木造住宅は筋かいを入れることにより、耐震性を確保していたのですが、
筋交い不足による欠陥が問題となり、2000年の建築基準法改正によって、
筋かいのサイズにより取り付け金物や金具なども、指定のものを使用しないといけなくなりました。

適切な筋かい施工の普及とともに接合金具の需要も増大してきました。

建築基準法では、木造の部材として「筋交い」を規定していて、筋交い端部は、横架材との仕口の近くに金物で緊結することとしています。

筋交いの金物とは筋交いの端部に取付ける筋交いと柱と横架材を接合するものが金物です。

筋交いの金物の種類は大きく分けて、プレート型とボックス型・二面施工タイプの3タイプに分けることが出来ます。

施工カ所により、適切なものを選ぶ必要があります。

 

プレート型金物(1面)

プレート型は主に柱の側面に施工するタイプで、ホールダウン金物などの干渉を軽減することが出来るメリットがあります。

リフォームに使用されることが多いです。

二面施工型(2面)

筋交いと柱の2面を接合するタイプでホールダウン金物や柱頭柱脚金物との干渉を防げることができます。

近年では二面施工型が多く使われることが多くなってきました。

ボックス型金物(3面)

横架材に乗せる形で、筋交いと柱と3面で接合するタイプで昔からある金物で3面あるため強度が必要な部分に使用されます。