本日は分筆について色々と調べてみましたのでぜひ参考にしてください。
我が家では実家の一部の敷地に家を建てる予定でおり、分筆または分割を考えています。
分筆で気になるのは費用でハウスメーカーから提示された金額がそれ相応の価格なのか、盛られていないか、標準的な金額など気になるところです。
また、安くなる方法はないかなど分筆するにあたって色々と調べたので参考になればと思います。
分筆することによって本来親の敷地すべてが抵当権の設定をされてしまうのですが、分筆すると分筆した分のところだけ、抵当権を設定することができるみたいでそこら辺についても調べてみました。
メリット、デメリットについてや、ひとによっては簡易的な分割にするか分筆にする場合でどちらにした方がお得なのかなど紹介していきます。
分筆とは
分筆(ぶんぴつ)とは、登記簿上で一筆の土地を数筆の土地に分割して土地の所有者が登記申請することを言います。
一筆(いっぴつ)とは土地の単位のことを指しているようです。
簡単にいうと敷地を地図上(図面上)で区切り、番号をつけることだと思います。
分筆と分割との違い
家を建てるときによく出てくる言葉が分筆と分割という言葉がよく出てきます。
分筆と分割は、言葉では同じことで1つの土地を複数に分けるということは同じです。
では分筆と分割一番大きい違いは登記簿上の土地が分割されるかということです。
法律上分筆を行うと、1つの土地が、2つ、3つのものとして扱われます。
例で言うと600番地の土地を3つに分割したとすると、600-1番地、600-2番地といったように複数の土地として数えられます。
一方、分割とは、登記を変更しないで、登記簿上は1つの同じ土地のままで、分割した土地が建築基準法を満たし、土地ごとに建物を建築できるように土地に机上の線を引くことを分割といいます。
ちなみに実際に土地に壁を付けたり、線を引いたりする必要があるわけではありません。
合筆とは?
分筆があれば、合筆もあります。
分筆とは逆に登記簿上で複数の土地を1つの土地にまとめて登記することを合筆といいます。
合筆は、登記簿上は複数の土地にわかれているが1つにまとめたいなどの場合に行われます。
基本的にはそのままでもよいのですが、証明書など登記簿上の区分に従って必要になるので合筆すると管理が楽になったり、コストを若干抑えられるメリットもあります。
分筆のメリット
土地の一部を売却できるようになる
一筆の土地の登記であると、一部の不要な部分の土地を売却することができない。
そのため、分筆を行い、土地の一部を切り離し売却することができるようになります。
(一筆の土地をすべて売却する場合は不要かと思います)
抵当権の範囲を減らすことができる
住宅ローンなどを組んで家を建てる場合、抵当権を設定する必要があります。
その場合、広い土地だとすべての土地に抵当権が設定されてしまいます。その場合分筆を行い、一部の土地のみに抵当権を設定することができます。
例で言うと、1億円の価値がある土地に、3000万円の住宅ローンにて借りる場合、1億円の土地全てに抵当権が設定されてしまいます。
そうなると、次にお金を借りる必要がある場合は抵当権を設定することができず、お金も借りることができなくなってしまします。
そういった場合に有効なのが分筆です。1億円の価値がある土地を2つに分筆登記を行い(3000万円と6000万円に分筆する)、3000万円分の土地に抵当権を設定します。
そうすると6000万円分の土地には抵当権を設定する必要がないため、フリーな土地となります。
そうすれば、次に抵当権を設定してお金を借りる必要がある場合はお金を借りることができるようになります。
違った地目※1を登記することができる
土地の登記ではすべてが同一の地目として扱われます。
100坪の土地があり、50坪は畑として使用していたとしても、100坪すべてに宅地の税金が適用されてしまいます。
宅地と畑では固定資産税がかなり違うので半分畑で使用しているのであれば、長期的に考えればお得になります。
ただ、分筆するのにもお金がかかるのでそこら辺について詳しくは土地家屋調査士等の専門家に相談するとよいでしょう。逆に畑を宅地にして家を建てる場合も分筆が必要になります。
※1:地目とは、土地の用途による区分のことで、「宅地」、「田」、「畑」、「山林」、「原野」などあります。
分筆のデメリット
固定資産税が上がる可能性がある
土地の固定資産税は土地の形や用途によって決められています。
分割することによって金額が上がる場合もあります。
分割することにより建物を新築することができない場合がある
分筆の形状によっては住宅建築が不可になる場合があります。
例えば、道路から接道が2m以上ないと建築不可などがあります。
登記が分かれることにより手間が増える
登記が分かれるため、書類等が倍になることがあります。
分筆できない土地とは
土地の面積が0.01平方未満の分筆はできないようです。
ある意味当たり前というか、分筆する意味があるかということもあります。
地域によっては一筆の土地最低面積が決まっているところもあるようです。
その場合、2つの土地に分けるとするとそれぞれの面積が基準以上ないと分割はできません。
分筆の流れ
分筆をする場合いくつかの方法があります。
基本的にはハウスメーカーなどで家を建てる場合はハウスメーカーで手続きしてくれるか、業者を紹介していただけます。
自分で見つける場合は通常、土地家屋調査士に依頼して分筆を行います。
分筆は次の流れは下記の手順にて行います。
細かい手順等は土地家屋調査士やハウスメーカーに相談するとよいでしょう。
1.土地家屋調査士またはハウスメーカーなどに相談・依頼する
2.法務局や役所などで調査を行う(公図、地積測量図、登記事項証明書、確定測量図)
3.現地予備調査
4.現地立会い(役所、隣地土地所有者)、境界(筆界)確認成立
(分割の方法によっては隣地土地所有者等が不要になるケースもあります)
5.境界確定測量
6.分筆案の作成
7.境界標の設置(杭などをうちます)
8.登記書類の作成(土地家屋調査士またはハウスメーカーなどで作成してもらいます。)
9.登記申請(役所で登記申請を行います)
分筆するには結構な金額がかかります。
そのため、自分で分筆登記をして節約したいと思う方がいますが、個人で行うのはかなりハードルが高くなります。
知り合いなどがいる場合はその人に相談するのもよいかもしれません。
また、仕事上できるかたであれば自分でやるのもよいかとは思います。
自分で行うのであれば、分筆登記の手続きであれば行うことができるレベルかと思います。
ただ、分筆登記を自分でやったとしてもさほど金額は変わらないようです。分筆するのであれば素直に依頼しましょう。
ハウスメーカーなどで行うとマージンを取られる場合があるので、他で相見積もり等とるのも有効かもしれません。
ただ、ハウスメーカーによっては契約しているところでしか受け付けしてくれない場合もありますので、担当者に確認するとよいかと思います。
分筆にかかる期間
分筆にかかる期間は、測量(境界線確定)が終わっている場合は2週間~1カ月程度で完了します。
測量(境界線画定測量)が終わっていない場合は+2~3カ月程度かかる場合があります。
まずは、測量を済ませなければ分筆はできないようですので、測量は早めに済ませるとよいでしょう。
とはいっても中々測量も難しいところなので、ハウスメーカーや測量の専門家と相談することをお勧めします。
分筆の費用
分筆といっても色々な費用がかかります。
細かい費用については専門家やハウスメーカーに確認してみるとよいと思いますが、相場がわからないかと思いますので簡単に記載します。
状況や広さなどによっても大幅に金額がかわってくるので細かくご紹介することは難しいですが、ざっくり下記のような金額がかかると思ってよいでしょう。
・測量費:5万円~
・筆界確認書作成費:10万円~
・官民境界確定図作成費:10万円~
・境界標設置費:10万円~
・登記申請費:5万円~
・登録免許税:分筆後の筆数×1000円
測量で境界線が確定している場合は、筆界確認書作成費と官民境界確定図作成費は不要になります。
測量で境界線が確定していない場合は合計で50万円~150万円、境界線が確定している場合は25万円~50万円かかると思ってよいでしょう。
我が家では60万程かかる予定です。
分筆の登記
分筆の登記をするには土地のある所の管轄する法務局や地方の法務局、支局、出張所などに申請することになります。
分筆の登記を申請するには申請するには申請書、筆界確認書(境界確認書、境界の同意書、境界の協定書)、地積測量図、現地案内図(代理申請の場合)、代理権限証書(委任状)が必要になるようです。
結構色々な書類を準備する手間や時間がかかってしまいます。
ハウスメーカーや土地家屋調査士等の専門家に依頼すれば、これらの面倒な書類の準備などはすべて行ってもらえます。
メリットとしては手間が減るのですが、デメリットとしてはその分のお金がかかります。時間、手間をお金で買ったと思うしかありません。
一応、個人でやる場合には調べて行うこともできますが、手間と時間を考えるとお勧めできませんのでこれ以上調べてませんが、もし、興味がある方は調べて自分で申請してみるのも面白いかもしれません。
分筆した場合の地番の付け方
1筆の土地には地番※が土地ごとに設定されています。
※地番とは、1筆の土地ごとに登記所が付ける番号のことです。
住所のような市区町村が付ける住居表示とは異なるようです。
(地域によっては同じ場合もあります)。
分筆した場合の地番の付け方には決まりがあります。
分筆前の地番に支号(枝番)が付いているかによってつけ方が、違います。
支号が付いていないときは支号を付けます。
例えば、一丁目1番の土地を2つに分筆したと場合、一丁目1番1、一丁目1番2の2つに分かれます。5つに分筆した場合は、一丁目1番1、一丁目1番2、一丁目1番3、一丁目1番4、一丁目1番5となります。
支号が付いている場合は、分筆後の1筆にはその支号を残し、ほかの土地には最終の支号の次の支号を付けます。
例えば、分筆前の地番が一丁目1番1で、別の方が所有している土地に一丁目1番2、3、4、5が存在いたとすると、一丁目1番1を2筆に分筆すると、それぞれの地番は、一丁目1番1、一丁目1番6の2筆になります。
単純に設定のない追番となります。