長期優良住宅とは?どんなメリットがあって、どんなデメリットがあるのか?基準について

長期優良住宅とは、長期間にわたって、構造および設備に対して、良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のことをいいます。

長期優良住宅の建築および維持保全の計画を作成し、所管行政庁に長期優良住宅の申請をして基準に適合することが証明できれば認定を受けることができます。

長期優良住宅は新築の場合と、増改築する場合に認定を受けることが出来ます。

それでは、長期優良住宅にすると、どのようなメリット、デメリットがあるのかをご紹介していきたいと思います。

ちなみに我が家も長期優良住宅の認定を受けていますが、実際どのような基準なのか知らないので調べてまとめてみることにしました。

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅を受けることによって色々とメリットがあります。
税金での優遇や、住宅ローン控除などがあります。
基本的には、その年により、待遇も違うので、あくまで参考程度に見てみてください。
その他、時期や、地域によって優遇もある場合があります。
いくつか代表的なものを紹介していきたいと思います。

一定の基準以上の住宅性能の家を建てられる

ある一定の基準や、条件があり、設計段階から、審査があるため、住宅性能が高い住宅を建てることが出来ます、
例えば、耐震性や断熱性能が高い家になり、安心にもつながると思います。

税金などで優遇される

■長期優良住宅だと固定資産税の減税措置(1/2減額)適用期間が3年⇒5年に延長される
通常、一戸建ての場合、新築住宅を建てると3年間だけ、固定資産税が減税措置で1/2に減額されるのですが、長期優良住宅の場合は新築から、5年間、固定資産税が減税措置で1/2になります。

■長期優良住宅だと所得税(住宅ローン減税)の限度額が4,000万円⇒5,000万円に引き上げられる※1
控除率1.0%、控除期間10年間、最大控除額500万円になります。
正直、4,000万円以上の住宅を購入してある程度の収入の方にはメリットがあるかと思いますが、4,000万円未満の住宅であればあまり、メリットはないかもしれません。

■長期優良住宅だと登録免許税の税率が引き下げられる※2
登録免許税とは住宅を購入した時に土地や建物を購入した人の所有権を登記するための費用になります。長期優良住宅ではこの費用も税率が引き下げられるメリットがあります。
保存登記 0.15%⇒0.1%
移転登記(戸建ての場合)0.3%⇒0.2%
こちらには条件もありますので詳しくは
No.7191 登録免許税の税額表|国税庁 (nta.go.jp)

■長期優良住宅だと不動産取得税が課税標準からの控除額が1200万円⇒1300万円増額される
不動産取得税は不動産の査定価格により変動しますが、こちらの控除額が通常、1200万円のところ、1300万円になります。
不動産取得税 | 税金の種類 | 東京都主税局 (tokyo.lg.jp)

※1:2021年12月31日までに入居の場合
※2:2022年3月31日までに入居の場合

※その他、年度により今後変更される場合があります。

住宅ローンの優遇が受けられる
長期優良住宅は、減税制度のほかにも、住宅ローン「フラット35」の金利が引き下げられるという引き下げというメリットもあります。
フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している、最長で35年固定金利の住宅ローンになります。

地震保険が割引になる
長期優良住宅は、認定基準で耐震性が求められるため、長期優良住宅の基準を達していれば、地震保険料の割引を受けることができるメリットもあります。
耐震等級3であれば、地震保険が約半額になります。
それだけ、被害が少ない丈夫な家というとらえ方もできます。
正直、建物自体は地震保険に入らなくてもいいレベルかもしれません。

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅のデメリットとしてはいくつかありますが、

費用面の問題が一番かと思います。

ただ、何十年も住む高額な住宅なのでできる限り長期でメンテナンスもかからないのが、理想ですよね。

それでは、早速デメリットを紹介していきたいと思います。
長期優良住宅は申請費用が掛かる
大手のハウスメーカーでは標準で長期優良住宅の仕様のところも多いですが、中堅のハウスメーカーやローコストのハウスメーカーでは長期優良住宅を申請するために追加の費用が発生する場合があります。
費用についてはハウスメーカーや家の仕様によってが違いますので、詳しくは営業の方などに確認するとよいでしょう。

長期優良住宅は建築価格が高くなる可能性がある
大手ハウスメーカーなどでは、元々の基準が高いので、長期優良住宅の基準をクリアーしている住宅が多いので、標準となっていますが、ローコストメーカーなどでは、できる限り、コストを削っているため、長期優良住宅にしようとすると仕様を高くする必要があるため、その分建築コストが上がってしまう可能性が高いです。

長期優良住宅は定期点検の義務があり、調査が入る可能性がある
長期優良住宅は長期間の維持を目的としているため、ランダムで対象者に選ばれてしまうと、定期点検義務が発生し、役場や、役所の調査に協力する必要がある場合があります。

長期優良住宅は免税や控除などを受けるためには書類の記入や提出が必要になる
長期優良住宅の免税や控除は取得しただけではただの書類にすぎないため、減税や控除などを受けるには長期優良住宅であることの書類の記入や提出を行わないと優遇措置を受けられないため、手続きは忘れずに行う必要がある。とはいえ、確定申告などは、長期優良住宅でなくても行う必要があるので、そこまで手間は変わらない。

長期優良住宅の基準

新築注文住宅などの一戸建ての住宅の場合、長期優良住宅を取得するための基準は各要素で一定以上の水準を満たす必要があります。

住戸面積

長期優良住宅の基準として、住戸面積が定められていて、一戸建ては基本的には、床面積が75㎡以上で1フロアの床面積が40㎡以上の条件が必要です。

これ以下の面積だと、基準外となり、申請することができません。

75㎡だと坪数で言うと約23坪以上は必要ということになります。2階建てだと、1階か2階が12坪以上必要ということになります。

長期にわたり、快適な生活を維持するためにはある程度の広さが必要ということになるようです。

耐震性

近年では、地震も多く発生していますが、長期優良住宅の基準の中には耐震性が含められています。耐震性は耐震等級が1~3までありますが、2以上(最高等級3)が必要になります。

耐震等級 とは | SUUMO住宅用語大辞典

省エネルギー対策

省エネルギー対策とは簡単に言うと、断熱性能のことで、次世代省エネルギー基準に適合する性能を確保してることが基準となります。長期優良住宅の認定には断熱等性能等級4以上が必須となります。

省エネルギー対策等級 とは | SUUMO住宅用語大辞典

劣化対策

長期優良住宅の基準として、何世代化にわたり、住宅が維持できるようにするため、躯体の劣化に対する対策が必要となります。

木造や鉄骨等の構造の種類に応じた基準に適合し、劣化対策等級3が必要となります。

さらに躯体に影響せずにメンテナンスをすることが出来るよう点検口の設置なども基準に含まれています。

劣化対策等級 とは | SUUMO住宅用語大辞典

維持保全管理

将来を見据えた補修等の維持保全計画を事前に立てる必要があり、さらに10年ごとに定期点検を実施したり、災害時などに臨時点検も必要要件となります。

維持管理・更新の容易性

構造躯体に比べて耐用年数が短い設備などついて、住宅を維持、管理が容易に行うことが出来る措置が講じられていること。簡単に言えば、将来的に保守やリフォームがしやすいかという基準のことです。

維持管理対策等級 とは | SUUMO住宅用語大辞典

長期優良住宅の認定を受けるには

さらに詳しく知りたい方は国土交通省のHPにて

申請方法等詳しく説明されているのでこちらを参考にしていただければと思います。

住宅:長期優良住宅のページ – 国土交通省 (mlit.go.jp)

長期優良住宅まとめ

ハウスメーカーで新築住宅を購入する場合は長期優良住宅なのかを確認してみてください。

オプションの場合は費用とメリットを比較してみて、長期優良住宅にした方のメリットがおおきい場合にはハウスメーカーに相談して、長期優良住宅の認定を受けることをおすすめします。

長期優良住宅はその名の通り、長期で優良住宅に住めるという意味もあるので、最初に費用が高くなったとしても、
20年、30年のメンテナンス等で考えると一般住宅よりも安く優良な住宅に住めるメリットもありますので、個人的には長期優良住宅をお勧めしたいと思います。

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