家を建てる際、住宅ローンをいくら借りることが出来るかによって、住宅の購入予算は変わってきます。
年収300万円の人、年収500万円の人、年収1000万円の人では、住宅ローンの借りれる額が変わってきます。
この住宅ローンを借りる際のポイントとなるのが、返済比率(返済負担率)です。
返済比率(返済負担率)の計算方法や住宅ローンの目安などをモデルケースでシミュレーションしてみたいと思います。
新築住宅を建てたいと思っている方、いくらなら無理なく返せるのか返済比率(返済負担率)の計算してみよう。
返済比率(返済負担率)とは
年収に占める住宅ローン返済額の割合のことを返済比率(返済負担率)といいます。
住宅ローンの借り入れの際の審査基準にもなり、金融機関の基準にもよりますが、おおよそ、年収の20~40%の金額を借りることが出来るということになります。
年収が基準となるため、年収が高ければ、その分高い金額になります。
一般的には年収400万円未満の場合、返済比率30%以下、年収400万円以上で35%以下などといった基準が設けられています。
年収が低いと返済比率も低く、年収が高くなると、返済比率の割合が高くなる傾向があります。それは、年収の余裕金額が多いためになります。
返済比率(返済負担率)の計算方法
たとえば、年収500万円で返済負担率を20%とした場合で計算してみると、1年間における返済額は100万円となり、1ヶ月の返済額は約8万3千円という計算結果なります。
ただ、これはあくまで目安なので、日々の生活費や貯蓄に回すお金なども考え、計画的に試算することが重要です。
返済比率(返済負担率)の計算式は
【返済比率(返済負担率)(%)を求める計算式】
年間返済額÷年収×100=返済比率(返済負担率)(%)
例:150万円÷500万円×100=30%
【年間返済額を求める計算式】
年収×返済比率(返済負担率)(%)=年間返済額
例:500万円×20%=100万円
【月々返済額を求める計算式】
年収×返済比率(返済負担率)(%)=年間返済額÷12=月々返済額
例:500万円×20%=100万円÷12=約8万3千円
住宅ローンの場合には、利子が掛かるため、返済比率(返済負担率)で計算した額と実際に借りられる額とでは変わってきます。
単純に年収500万円を返済比率(返済負担率)30%で計算した場合、年間返済額が、150万円で、35年借りるとして、上限が150万円×35年で5250万円となりますが、実際には金利が発生するため、審査金利が1%だった場合、約5160万円しか借りられない状態になります。
さらに年利3%で計算してみると、約3785万円と1500万円を超える差になりました。
ここで言う年収とは、社会保険料や所得税などを引かれる前の「税込み年収」のことを指します。
年収500万円とよく言うが、実は、年収500万円であっても、手取り額は500万円フルでもらえるわけではありません。取得税、住民税、厚生年金、健康保険など税金がとられるので、実際500万円でも、400万円あるかないかぐらいになってしまいます。
税金については、扶養ありや子供の有無によっても変わってくるため、一概に同じではありませんが参考程度に手取り年収を載せておきますので、参考にしてみてください。
手取り年収早見表
額面年収 | 手取り年収 | |||
扶養家族なし | 扶養配偶者扶養親族0人 | 扶養配偶者扶養親族1人 | 扶養配偶者扶養親族2人 | |
200万円 | 164万円 | 172万円 | 172万円 | 172万円 |
300万円 | 243万円 | 252万円 | 256万円 | 258万円 |
400万円 | 320万円 | 329万円 | 334万円 | 338万円 |
500万円 | 396万円 | 406万円 | 411万円 | 415万円 |
600万円 | 469万円 | 481万円 | 488万円 | 493万円 |
700万円 | 536万円 | 554万円 | 561万円 | 567万円 |
800万円 | 602万円 | 619万円 | 628万円 | 638万円 |
900万円 | 667万円 | 685万円 | 694万円 | 703万円 |
1000万円 | 732万円 | 750万円 | 759万円 | 768万円 |
あくまで、概算金額ですが、額面の年収と言われている金額ですが、実際の手取りでは大分少なくなります。
住宅ローンの返済比率(返済負担率)では年収に対する%なので、額面の年収を理解した上で今後の生活を考えて、金額をきめることをおすすめします。
無理なく家を建てるための予算の目安を求めるには!?
返済比率(返済負担率)の基準で計算すると、住宅ローンで借りられる金額がわかりますが、「銀行が貸してくれる金額=無理なく生活して返済できる額」ではないということです
それでは、無理なく返済することが出来る額はどのように求めればよいのでしょうか。
家庭環境や年収によって生活費、教育費は家庭によっても違うため、一概に、いくらであれば無理なく返せる金額なのかはっきりとした数値で出すことはできません。
また、人によって無理なくの基準が違います。
無理なく返せる金額にすることによって、自分の希望通りの家を建てることが出来ず、後悔する人もいれば、少し無理をしてでもよい家に住みたいと思う方もいるため、バランスが大事になります。
住宅ローンをいくら借りるかの目安は、現在の生活費や貯蓄、今後の住宅の管理費やランニングコストなどを差し引きして、計算することが出来ます。
まずは、毎月や年間のコストや将来の出費などを考えてみましょう。
例を挙げて紹介していきたいと思います。
また、あくまで予算の目安として扱ってください。
例えば、年収500万円で妻が扶養で子供がいない場合、手取り年収としては、おおよそ400万円になります。これを月々で割ると、月々約33万円になります。
これが、月々の生活費でこれ以上の出費になってしまうと破綻してしまいまいます。
これが丁度返済比率(返済負担率)が20%くらいです。
月々33万円から8万5千円を引くと、24万5千円で生活する必要があります。
それでは、生活費にはどんなものがあるでしょうか。
食費、光熱費(電気、ガス、水道代)、通信費(スマホ、Wiffなど)、洋服代、美容院代、教育費、旅行代、生命保険代、出産費(子供が生まれた場合)
車を所有している方であれば、ガソリン代、車検代、自動車保険代、自動車税、新しく車を買うための費用、
これから、家を購入した場合には、固定資産税、火災保険、地震保険、メンテナンス費などが発生してきます。
その他、急な出費などでお祝いなど、結婚式に呼ばれたら、それでもお金が掛かります。
案外、生活費って掛かっています。これで夫婦2人分です。子供がいれば3人、4人分
その中から、住宅ローンを捻出するのって結構大変ですよね。
借入金ごとに生活費をシミュレーションしてみましたが、正直年収500万円で3000万の返済比率(返済負担率)20%でもほとんど余裕がない状況になります。
実際には年収500万円位であれば、5000万円位借りられるところもありますが、
5000万円借りてしまうと、月々約14万の住宅ローンがかかり、年収500万で33万のうち14万の住宅ローンであると、19万円しか生活費がありません。
正直、無理なく生活することは難しい状況になると思います。
確かに、年収が上がっていくのであれば、問題はないと思いますが、中々、年収も上がらず、転職などで下がってしまったら、住宅ローン破綻になりかねません。
もし、今後の住宅ローンやお金について不安な方がいらっしゃいましたら、ファイナンシャルプランナー
に相談してみるのもおすすめです。
無理なく家を建てるための将来のお金の流れなどをシミュレーションして、無理なく家を建てるための具体的な金額を知ることが出来ます。
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